サステナビリティに貢献する機能性コーティング剤

廃プラスチックによる海洋汚染の問題を端緒に、SDGsの達成や環境への意識の高まりを受け、持続可能な社会の構築に向けて、プラスチックのあり方があらためて問われ始めています。
一方でさまざまな特長のあるプラスチックは、利便性や安全性などにおいて非常に優秀な素材であり、代替となるものを見つけるのは難しい現状です。そこで、環境にやさしい商品としてバイオマスフィルムなどの開発が活発化する中で、“紙”のパッケージが見直され始めています。今後のパッケージの形態として、”紙”という選択肢が一つの大きなトレンドになると考え、当社グループではパッケージの”紙化”への対応に注力しています。

紙パッケージは以前からさまざまな場面で利用されている一方で、フィルムと比較して耐久性や保存性の面からフィルムの代替として機能するには非常にハードルが高いのが実情です。そこでこれらの機能を補うべく、紙に特殊な機能を持たせるコーティング剤を塗布し、付加価値を与えることでフィルムパッケージの代替化に挑戦しています。

例えば、水や油に対する耐久性(耐水性・耐油性)、食品の劣化を防ぎ消費期限を長持ちさせるための酸素・水蒸気バリア性、パッケージを袋状にするためのヒートシール適性などといった機能です。また、衛生対策として菌やウイルスの増殖を抑制する抗菌ニスや抗ウイルスニスといったラインアップも展開しています。
今後、これらの機能性コーティング剤が広く使われることで、パッケージの紙化に大きく貢献していきたいと考えています。

当社グループは、製品の原材料に植物由来材料を積極的に使い、脱炭素化を推進することに加え、パッケージのリサイクルを容易にするモノマテリアル化やフィルムパッケージの紙化などに対応した製品を展開することで、地球環境の改善に寄与し、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。