グラビア印刷を行う印刷会社やコンバーター(パッケージメーカー)では、鉄製の印刷版である「シリンダー」が、リピート印刷に備えて多数在庫されています。その中には不要となったシリンダーも多く含まれていますが、廃棄処理に手間がかかるため放置され、過剰在庫となっているのが現状です。さらに、シリンダー表面には銅やクロムのメッキが施されており、再生には多くの工程を要するため、スクラップとして埋め立て処理されるケースも少なくありません。
今回の実証実験では、グラビア版メーカーであり、シリンダーの回収およびリサイクルシリンダーの製造を手掛ける森脇鉄工株式会社と連携し、廃シリンダーやダライ粉(鉄の切りくず)を、鉄の専門商社であるエムエム建材株式会社が回収・再資源化する取り組みを開始しました。
当社は、グラビア印刷業界が抱える課題である過剰在庫のシリンダーを鉄として再資源化する、サーキュラーエコノミー※の実現を目指します。これにより、廃棄物の削減だけでなく、新たにシリンダーを製造する場合と比較してCO2排出量についても削減効果の検証も進めます。
今後も、廃棄物の回収と資源再生に向けた取り組みにご協力いただける資源リサイクルのパートナーを募集し、廃棄物の再資源化に向けたスキームの構築を進めてまいります。また、お客様や同業他社をはじめとする印刷関連業界への展開も推進しており、当社は印刷関連業界におけるゼロエミッションの実現に向け、廃棄物の再資源化をリードする企業となることを目指してまいります。
※サーキュラーエコノミー(循環経済)
3R(Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル))の取り組みに加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストッ クを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動であり、資源・製品の価値の最大化、資源消費 の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指すもの。(出典:環境省ウェブサイト)
サカタインクス株式会社について
サカタインクスは1896年に創業し、アジア、米州、欧州など世界の20を超える国と地域に展開する印刷インキ販売で世界第3位の化学メーカーです。各種パッケージや飲料缶、情報メディア媒体などに使用される印刷インキ、デジタルプリンティング向けの産業用インクジェットインキやカラートナー、液晶ディスプレイ用画像表示材料などの製造・販売を行っています。「ビジュアル・コミュニケーション・テクノロジーの創造」をビジネステーマとし、環境に配慮したサステナブル製品を通じて、「人々の暮らしを快適にする情報文化の創造」を目指し、新規分野への挑戦も続けています。
https://www.inx.co.jp/
森脇鉄工株式会社について
森脇鉄工は1970年に創業し、グラビア印刷用シリンダーの専業メーカーとして業界トップシェアを誇ります。高精度なシリンダーを短納期で提供するため、他社に先んじてCNC旋盤による仕上げ加工を導入するなど、独自技術を確立してきました。2007年には業界初のシリンダーリサイクルシステムを構築し、全国のグラビア印刷会社からシリンダーの回収やリサイクル加工を受け持ち、グラビア印刷業界の環境負荷低減に貢献してきました。2023年にM&Aを実施し、新たにシリンダー銅メッキ事業を開始、さらなる事業拡大を目指しています。
http://www.moriwaki-i.co.jp/
エムエム建材株式会社について
エムエム建材は、2014年11月に、メタルワングループと三井物産グループの、建設鋼材事業と製鋼原料事業の統合により誕生した国内最大級の建設鋼材及び製鋼原料を取扱う鉄の専門商社です。三井物産、三菱商事、双日の各グループが持つ総合力を背景に、グループ会社と連携しながら、国内外での建設鋼材の販売や在庫・加工、各種工事の施工を行い、建造物等社会インフラの整備に携わっています。また、これら社会インフラの老朽化に伴う解体や製造工場等より発生するスクラップを回収・選別し、製鋼原料として国内外の鉄鋼メーカーに販売する循環型ビジネスも大きく展開しており、脱炭素時代に適応したビジネスに取り組んでおります。
https://www.mokmbs.com/
お問い合わせ
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グラビアパッケージ事業部
【東京】04-7127-2231