印刷インキのトラブル、原因と対策

Printing ink problems, causes and solutions

印刷インキのトラブルとその原因、対策について、印刷版式ごとに紹介しています。

印刷インキのトラブル、原因と対策 (PDF)

obj

グラビア印刷

トラブル 状態 原因 対策
光沢不良 印刷面の光沢が極度に悪い
  • ソワリング (注1)
  • ブラッシング (注2)
  • 増粘またはゲル化したインキは新肉インキに取りかえる
  • 乾燥機の熱量を上げる
  • 印刷スピードを上げる
  • 遅口溶剤を併用する
濃度低下 濃度が低下し、初期の濃度がでない
  • ソワリング
  • インキの希釈しすぎ
  • 新肉インキに取りかえる
  • 新肉インキを加える
転移不良 フィルムにインキがうまく移っていかない
  • ソワリング
  • インキの粘度が高すぎる
  • フィルムの添加剤のうき
  • 新肉インキに取りかえる
  • インキを希釈する
  • 静防剤、滑剤のうきのないフィルムを使用する
接着不良 フィルムにインキが十分接着しない
  • インキタイプの誤用、希釈溶剤の誤用または異種インキの混合
  • 処理度不良、処理ムラ (PP、PE、NY)
  • フィルム中の添加剤 (PP等)
  • フィルムの吸湿 (NY、PTセロハン、ビニロン等)
  • 印刷物の白化 (ブラッシング)
  • ソワリング
  • 加熱不足
  • フィルムに合ったインキ・溶剤を使用する
  • 正規の処理度のあるフィルムを使用する (長期間保存されたフィルムは処理度が低下する)
  • 静防剤、滑剤の多いフィルムはよくない
  • フィルムが吸湿しないように保管する
  • 乾燥機の熱量を上げる
  • 印刷スピードを上げる
  • 遅口溶剤を併用する
  • 新肉インキに取りかえる
  • 乾燥機の熱量を上げる (特にアルミ箔、防湿フィルムは熱による接着力の巾が大きい)
版づまり 画線部 (特に版調部分) のインキがフィルムに転移せず印刷面がかすれる
  • インキの版乾き
  • 異物の混入
  • 版の仕上がり
  • インキのソワリング
  • 版の洗浄不十分
  • 異種溶剤の誤用
  • 乾燥機の熱風が版面にあたらないようにする
  • ドクター位置を圧胴に近づける
  • 印刷速度を速くする
  • インキの粘度を下げる
  • 遅口溶剤を併用する
  • 80~120メッシュの金網でインキを濾過して、使用する
  • 腐蝕を確実に行う
  • 研摩時のバリの除去
  • 新肉インキに取りかえる
  • 印刷終了後、版は十分に洗浄する
  • インキに合った溶剤を使用する
発泡 図柄の網点が部分的に消える
部分的なかすれを生ずる
  • インキの発泡
  • インキを適正粘度に保つ
  • インキパンの特定の箇所にインキがよどむ事のないようにする
  • 消泡剤の適正使用
  • 軽度の場合、風船の使用が有効
ドクターすじ 刷込み時、非画線部に流れ方向のすじが出る
  • インキ中の異物
  • ドクターの調整不良
  • 版のメッキ不良
  • 印刷中の異物の混入を防ぐ
  • インキを金網で濾過する
  • ドクターを調整する (研磨、圧、硬度、厚さ、角度、位置)
  • クロムメッキの表面状態により再クロームする
版かぶり 非画線部全面にうすい汚れがでる
  • インキの粘度が高すぎる
  • インキの乾燥が遅い
  • ドクターの調整不良
  • インキ粘度を下げる
  • 速口溶剤の使用
  • ドクターを調整する(前項参照)
泳ぎ シャドー部に不規則な流れや、見苦しいムラが出来る
  • インキの粘度が低すぎる
  • インキの流動性不良
  • 異常に深い版を使用
  • 新肉インキを加えてインキ粘度を高くする
  • 希釈時にメジュームを使用する
  • 印刷スピードを上げる
  • 速口溶剤を使用する
  • 新肉で流動性のよいインキを使用
  • 適正な深度の版を使用
おばけ ベタ部分が滑らかに印刷されず、斑点状になったり空白部が生じたりする
  • 静電気障害
  • 散水や蒸気放出により印刷室内の湿度を高くする
  • フィルムがシリンダーから出た直後、金モールを接触させアースして除電する
  • ガイドローラーからもアースをとる
  • インキ粘度を高めにする
ひげ 画線部の周囲に糸状のはみだしを生じる
  • 静電気障害
  • (前項参照)
トラッピング不良 多色刷の場合、1色目のインキ塗膜上に2色目以降のインキがうまくのらない
  • 1色目のインキの粘度が高すぎる
  • 2色目以降のインキの乾燥が早すぎる
  • 2色目以降の印圧が強すぎる
  • 1色目のインキ粘度を下げる
  • 2色目以降のインキに遅口溶剤を使用する
  • 2色目以降のドクター位置を圧胴に近づける
  • 印刷速度を上げる
  • 2色目以降の印圧を軽くする
  • 2色目以降の版深度を深くする
ガイドローラー汚れ ガイドローラーにインキが付着し、印刷面が汚れたり、すじがつく
  • 乾燥不良
  • インキの接着不良 (耐摩性不良)
  • クーリング・ローラーの不備
  • 速口溶剤の使用
  • 乾燥機の熱量を上げる
  • ガイドローラーの回転をよくする
  • クーリング・ローラーの冷却効果をチェックする
ブロッキング 印刷したインキが重なったフィルム面にうつり、汚れる
  • 残留溶剤
  • フィルム中の可塑剤 (特に軟質塩ビの場合)
  • フィルム中の水分 (PTセロハン、NY、ビニロン)
  • ニ液反応型インキへの硬化剤の入れすぎ
  • 印刷物乾燥の残存熱
  • スリッター加工または巻き替え時の摩擦熱
  • 印刷物保管中の温度が高い
  • 巻き締めが強すぎる
  • 印刷物保管状態
  • 図柄の規則性
  • インキの接着不良
  • 両面処理フィルム
  • 印刷物を十分に乾燥させる
  • 乾燥機の熱量、風量を上げる
  • 遅口溶剤の使用を少なくする
  • 特別な処方のインキを使用する
  • 吸湿しやすいフィルムは保管に注意する
  • 硬化剤は適正比率以上添加しない
  • 乾燥温度が高い場合、冷却ロールを通し、巻取り前にフィルムを冷却する
  • 過度のテンションをかけないようにし、巻き替え後の温度が上がらないよう注意する
  • 保管は熱源付近や、直射日光をさける
  • テンションをゆるくして、固巻きにならないようにする
  • ロール状の印刷物は立てて保管する等、圧力がかからないようにする
  • 図柄が流れ方向に規則的にならないよう、ランダムに面付けをする
  • 接着不良の原因を調べる
  • 特にスピードをおとして十分に乾燥させる等、印刷時に十分注意する
(注1) ソワリング
[状態] 光沢低下、濃度低下、転移不良、版づまり
[原因] 空気中の水分がインキパン中のインキに混入し、増粘、ゲル化を起こす。特に梅雨期などの多湿時に多く、インキの乾燥が早い場合に起こりやすい
(注2) ブラッシング (白化)
[状態] 印刷面の光沢が極度に悪くなり、白けたような発色になる。接着も著しく低下する
[原因] 空気中の湿気がインキ塗膜中に混入し、インキ塗膜の性状を破壊する
obj

フレキソ印刷 (水性インキ)

トラブル 状態 原因 対策
色相不良 所定の色相が得られない
  • インキの粘度が低過ぎる
  • インキの分離、沈降
  • インキの絞り過ぎ
  • インキの盛り過ぎ
  • インキの転移不良
  • 原紙のインキ受理不良
  • 原液を補充する
  • 缶をよく振る
  • 絞りをゆるめる (注1)
  • 絞りをきつくする
  • ローラー、版等をチェックする
  • 原紙の交換
粘度不良 所定の粘度が得られない
  • インキの揺変性
  • 発泡
  • 溶剤分の揮発
  • 希釈剤の入りすぎ
  • インキ循環後に測定する (注2)
  • 消泡剤を加える (注3)
  • 専用の溶剤を加える
  • 原液を補充する (インキのセット時に注意)
乾燥不良 印刷物の乾燥不良
  • インキの粘度が高い
  • マージナルゾーン
  • インキの乾燥不良
  • 吸収の悪い原紙
  • インキを薄める
  • タッチを調整、版のムラ取り
  • 速乾性のインキを使用
  • 吸収の良い紙に変える
マージナルゾーン 図柄がふちどったようになる
  • 版の精度不良
  • 版とローラーの接触 (アニ圧および印圧)が強い
  • インキ粘度が高い
  • インキの絞り不良
  • 版のムラ取りを行う
  • タッチを調整する
  • 粘度を調整する
  • 絞りを調整する
版づまり 細い図柄や文字がつぶれる
  • 版の精度不良
  • 版が軟らかい
  • タッチが強い
  • インキの粘度が高い
  • インキの絞り不良
  • 版のムラ取り、高低の調整
  • 適した硬度の版に取り換える
  • タッチの調整
  • 粘度を調整する (注4)
  • 絞りを調整する
転移不良 インキが紙によく移っていかない
  • 印圧不足
  • 版の硬度不良
  • 紙の撥水度が強い
  • ゴムローラーおよびアニロックスロールの摩耗、老化
  • 印圧を加える
  • 硬度をチェックする (注5)
  • 撥水紙用インキを使用
  • ローラーをチェックする (注6)
トラッピング不良 重ね刷りがうまくできない
  • 1色目の印圧が強過ぎる
  • 1色目のインキ粘度が高い
  • 1色目のインキの乾燥が遅い
  • 2色目の印圧をより強くする (注7)
  • 1色目の粘度を、より低くする (注8)
  • 1色目のインキを絞る
泡立ち インキが泡立つ
  • インキの抑泡力不足
  • インキの循環量不足
  • 消泡剤を加える (注9)
  • 循環量を増加する
ピンホール 印刷面にピンホールを生じる
  • 消泡剤の入れ過ぎ
  • インキの薄め過ぎ
  • 低粘度インキの盛り過ぎ
  • 添加量に注意 (注9)
  • 正常なインキに取りかえる
  • 原液を補充する
  • 原液を補充して絞る
版の摩耗 版の摩耗が激しい
  • タッチが強過ぎる
  • 印圧が強過ぎる
  • 版の精度不良
  • タッチをゆるめる
  • 版圧を下げる
  • 版のムラ取りを行う
ゲル化 インキがゲル化する
  • 溶剤の使用間違い
  • 異種インキとの混合
  • 保存不適性
  • インキの経時変化によるもの
  • インキを交換する
耐性不良 印刷物の耐性が不十分である
  • 耐水不良
  • 耐光不良
  • 耐摩不良
  • 適正なインキを使用する
(注1) ゴムの老化による弾性損失、硬化など
(注2) 循環して5分程度経過した後に測定する
(注3) 添加量はインキの0.2%程度とする
(注4) できるだけ低い粘度にする
(注5) 特に、ベタ印刷には35~45°のものを使用する
(注6) 絞りローラーのゴムの老化、弾性消失、アニロックス・ローラーの目詰り、摩耗など
(注7) 1色目の印圧はできるだけ軽くすること
(注8) 粘度差を3秒以上にする
(注9) 添加量はインキの0.2%程度とする

枚葉印刷 (枚葉・オフ輪共通)

トラブル 状態 原因 対策
壺あがり インキ壺からインキが呼び出しローラーに転移しない
印刷物が段々と淡くなる
  • インキがさくく、引きが短い
  • インキの流動性不足
  • インキの稠度調整 (流れを出すようにレジンワニスを加える)
  • インキアジテーターをつけるのが望ましい
パイリング (版残り、ブラン残り) 印刷中にインキの転移が十分でなく、ローラー版、ブランケットにインキがたまる
そのために印刷面のベタの着きが均一でなくなる
網点の部分がムラになる
画線が太る
  • インキの流動性がなく、更に粘性が無い場合
  • インキが湿し水で乳化し、流動性がなくなった場合
  • インキ中に粗粒子が混入した場合 (インキの練り不足)
  • タック、粘度が高すぎて、ブラン残りが多い場合
  • インキが粘く、タック、粘度が高く紙粉が堆積する
  • スプレーパウダーの過量
  • 乾燥剤の過剰投入
  • インキの稠度を適正に調整しなおす (インキの練り直し)
  • インキがさくい場合は固めの良質のニスを練り込む
  • インキが粘い場合は助剤をよく練り込んで、インキを軟らかく調整する
  • パウダーを控え目にする
  • 版・ブランケット・ローラーを一度洗い直し、パイリングのポイントを発見し、処理する
ピッキング (紙むけ) 紙がむける
  • 紙の表面強度が弱く、コーティング不良、湿度が高い
  • インキのタックが高い (室温低い)
  • インキの機上安定性不良 (しまり)
  • 紙の交換
  • 希釈ワニス、コンパウンドを加えてインキのタックを下げる
  • 湿度と室温の再検討
チョーキング 表面が乾いているのに、印刷面を指でこすると取れる
  • 印刷後インキ中のワニスが紙に吸収されて顔料分だけ印刷面に残る
  • 紙の吸油速度が速い
  • pHが低い
  • ビヒクルと顔料とのぬれが悪い
  • インキの再調整
  • 紙の交換
  • ドライヤの量と質の選択
  • 乾燥不良、耐摩性不良とは誤解しないこと
トラッピング不良 (インキののりが悪い) 多色機ウエットプリントにおけるインキの重ね刷り不良でモットリング (表面が凹凸状態) になる
  • 多色機でのインキ稠度、濃度のバランス不良
  • 機上安定性不良が原因で紙上に転移直後のタックバランス不良
  • 乳化
  • 腰切剤、レジューサーでインキのタックを調整する
  • 後刷りインキを先刷りインキより同じか軟らかくする
  • 湿し水の供給を抑さえる
  • 図柄の少ない版から先刷りする
地汚れ 版に感じている汚れ
  • インキが脂肪性過多、ドライヤ過多
  • インキ中の硬い粗粒子による版の損傷
  • 感光膜の残渣カブリ、砂目不良
  • ガム液の塗布不良および修正後の処理不良
  • インキの組成変更版関係の再チェック
  • 水棒のセット
  • 版とローラーの当り調整
  • 胴仕立ての再検討・チェック
  • エッチ液およびガム液の腐敗
浮き汚れ インキの粒子が湿し水中に浮遊して、印刷面全面に移動して汚れる
  • インキが乳化し軟らかい
  • 高粘度ワニスを加えて硬くする
  • 湿し水の注意 (エッチ液添加量の調整)
ヒッキー 印刷部分がところどころ白点状にぬける
  • インキの乾燥した皮膜が混入して版上にでる
  • 紙の小片 (紙粉) あるいは水棒からの繊維のカスが版上にでる
  • インキの取り出し注意
  • 使用後のインキの表面に皮がはらないようにする
  • 版上の異物を取り除く
  • 水棒の手入れを十分にする
ミスチング 印刷中にインキが練りローラーの間から霧状に飛ぶ
  • インキのタックが低すぎる
  • インキが軟らかすぎる
  • ゴムローラーの破損、腐敗
  • 適当なコンパウンドを加える
  • 硬めに練り直す
  • ローラーを変える
  • 機械の点検
  • 印刷室の調湿
  • 一般に回転の速い輪転
  • 新聞印刷に起こる
  • 静電気の除去
  • ローラーの不良
  • ローラーセットの不良
ローラーストリッピング (ローラーはげ) インキングローラーがインキを受け付けなくなり、表面があらわれてくる
  • 湿し水装置からの過剰な水分がインキの表面に押し出され、ローラーに吸着し、親水性の層を形成してインキを受けつけなくなる
  • 湿し水のゴム分や酸分が強すぎる場合
  • 極端に乳化しやすいか、しにくいインキの場合
  • 湿し水の量を過大にしない
  • 金属ローラーを酸やパーミストンでこすりゴム分をとる
  • 金属ローラーの銅メッキ
  • ゴムローラーのグレージング処理
obj

枚葉印刷

トラブル 状態 原因 対策
裏うつり (ブロッキング、ステッキング) 印刷したインキがセット乾燥する段階で上紙の裏面につき、汚れる (その程度により左の名称で呼ばれる)
  • インキのセットが遅い
  • インキの盛りが多い
  • 助剤の使用不適・ドライヤの過不足
  • 紙の表面が平滑・吸油性が悪い
  • 静電気の発生
  • インキのレベリング不良
  • デリバリーの調整不良
  • スプレー性能の不完全
  • インキの選定・使用方法を正しくする
  • セットの速いインキにする
  • 濃度のあるインキに変え、盛り過ぎない
  • 風入れ、積みかえ、スノコ取りの実施
  • スプレー装置の調整
  • デリバリーの調整
  • 裏移り防止装置の設置
  • 湿し水のpHや水上げの正しい調整
乾燥不良 いつまでもインキがベタつく (アフタータック)
  • インキの乾燥性不良・インキの盛り過ぎ
  • 湿し水過多、酸度が大きい (pHが低い)
  • 紙のpHが低い
  • 印刷環境の相対湿度が高い
  • インキの変更
  • ドライヤの少量添加
  • 風入れ操作を頻繁に行う
  • 湿し水の管理を正しくする
  • ドライヤの量と質の選択
グロスゴースト 印刷物の裏面での追い刷り時に現われる光沢の差
  • 印刷インキの酸化重合過程で発生するガスの影響
  • ガスに接している部分のみインキの乾燥が促進され光沢が出るか、乾燥が遅れて光沢が出なくなる
  • 裏面印刷後1.5~2時間後に一度風入れを行う
  • 5~6時間後にもう一度風を入れる
obj

オフ輪印刷

トラブル 状態 原因 対策
ブリスター 用紙がドライヤを通過する時に生じる火ぶくれのこと
絵柄のベタ部に発生しやすく、丸みを帯び、輪郭がはっきりしているのが特徴で、紙の両面から確認できる
  • 重い絵柄が表裏にある場合、紙面コート層がインキで覆われ、用紙水分の蒸発が妨げられる
  • 用紙含水率が高い場合、ドライヤ熱により発生した水蒸気が紙から逃げられない
  • コート層の厚い用紙の場合、用紙水分の蒸発を防げる
  • 乾燥温度を下げる (印刷速度を下げる)
  • 熱風風量を上げる
  • 高濃度インキを使用する
デラミネーション 走行中の紙が、ブランケットに取られてバタつき、見当不良・ダブリが発生する
  • 上胴と下胴の絵柄面積の差が大きく、片胴で走行方向に重い絵柄が続く場合、紙が取られ用紙がバタつく
  • テンションを上げる
  • 紙が取られる側のインキタックを下げる
  • 紙が取られる側のブランケットを紙離れの良いものにする
クーリング縦じわ 刷本に発生する縦じわで、全面に認められる
  • テンションがかけられた紙がドライヤ内で数mフリーになり、断面に波状の縦じわが生じ、そのままクーリングで急冷されるため、インキ中の樹脂分が固化して縦じわが残る
  • テンションを下げる
  • ドライヤとクーリングを適性温度に設定する
火じわ 刷本の画線部と非画線部の収縮差により縦じわが生じる
紙の表裏の収縮差により凹凸状のしわが発生する
  • インキに覆われた部分は、紙の水分の蒸発が妨げられ、収縮差が生じ、テンションによりしわが発生する
  • 片面の広い範囲がインキで覆われている場合、表裏で蒸発速度が異なるため、収縮差により変形し、凹凸状のしわが生じる
  • 乾燥温度を下げる
  • 高濃度インキを使用し、インキ皮膜厚を薄くする
  • テンションを下げる
  • クーリング縦じわとも関連が深い
乾燥不良 ガイドローラー汚れ、ターンバー汚れ、フォーマー汚れ
  • オーブンの熱風温度が低い、オーブンの風量が少ない、クーリングが不十分、インキ量、水上げ過多
  • 印刷速度を下げる
  • 熱風温度を上げる
  • インキ濃度アップ
  • 火じわ、背割れ、ブリスター等に注意が必要
ガイドローラー/ターンバー/フォーマー汚れ 印刷された走行紙が、オーブン通過後、ガイドローラー・ターンバーを通ってフォーマーで折られるが、ガイドローラーなどにインキが取られ、走行紙方向に擦れ傷が紙面に汚れとなって現われる
  • 乾燥不良
  • 印刷面とガイドローラーの摩擦力が強い
  • 上記乾燥不良と同じ対策をとる
  • インキに滑剤を入れインキ面の滑りをよくする
  • ガイドローラーなどにテフロンテープなどを巻き、摩擦を軽減する
  • テンションを下げ、接触圧を軽減する
obj

グラビア印刷

表は横スクロールできます。
表は横スクロールできます。
トラブル 状態 原因 対策
光沢不良 印刷面の光沢が極度に悪い
  • ソワリング (注1)
  • ブラッシング (注2)
  • 増粘またはゲル化したインキは新肉インキに取りかえる
  • 乾燥機の熱量を上げる
  • 印刷スピードを上げる
  • 遅口溶剤を併用する
濃度低下 濃度が低下し、初期の濃度がでない
  • ソワリング
  • インキの希釈しすぎ
  • 新肉インキに取りかえる
  • 新肉インキを加える
転移不良 フィルムにインキがうまく移っていかない
  • ソワリング
  • インキの粘度が高すぎる
  • フィルムの添加剤のうき
  • 新肉インキに取りかえる
  • インキを希釈する
  • 静防剤、滑剤のうきのないフィルムを使用する
接着不良 フィルムにインキが十分接着しない
  • インキタイプの誤用、希釈溶剤の誤用または異種インキの混合
  • 処理度不良、処理ムラ (PP、PE、NY)
  • フィルム中の添加剤 (PP等)
  • フィルムの吸湿 (NY、PTセロハン、ビニロン等)
  • 印刷物の白化 (ブラッシング)
  • ソワリング
  • 加熱不足
  • フィルムに合ったインキ・溶剤を使用する
  • 正規の処理度のあるフィルムを使用する (長期間保存されたフィルムは処理度が低下する)
  • 静防剤、滑剤の多いフィルムはよくない
  • フィルムが吸湿しないように保管する
  • 乾燥機の熱量を上げる
  • 印刷スピードを上げる
  • 遅口溶剤を併用する
  • 新肉インキに取りかえる
  • 乾燥機の熱量を上げる (特にアルミ箔、防湿フィルムは熱による接着力の巾が大きい)
版づまり 画線部 (特に版調部分) のインキがフィルムに転移せず印刷面がかすれる
  • インキの版乾き
  • 異物の混入
  • 版の仕上がり
  • インキのソワリング
  • 版の洗浄不十分
  • 異種溶剤の誤用
  • 乾燥機の熱風が版面にあたらないようにする
  • ドクター位置を圧胴に近づける
  • 印刷速度を速くする
  • インキの粘度を下げる
  • 遅口溶剤を併用する
  • 80~120メッシュの金網でインキを濾過して、使用する
  • 腐蝕を確実に行う
  • 研摩時のバリの除去
  • 新肉インキに取りかえる
  • 印刷終了後、版は十分に洗浄する
  • インキに合った溶剤を使用する
発泡 図柄の網点が部分的に消える
部分的なかすれを生ずる
  • インキの発泡
  • インキを適正粘度に保つ
  • インキパンの特定の箇所にインキがよどむ事のないようにする
  • 消泡剤の適正使用
  • 軽度の場合、風船の使用が有効
ドクターすじ 刷込み時、非画線部に流れ方向のすじが出る
  • インキ中の異物
  • ドクターの調整不良
  • 版のメッキ不良
  • 印刷中の異物の混入を防ぐ
  • インキを金網で濾過する
  • ドクターを調整する (研磨、圧、硬度、厚さ、角度、位置)
  • クロムメッキの表面状態により再クロームする
版かぶり 非画線部全面にうすい汚れがでる
  • インキの粘度が高すぎる
  • インキの乾燥が遅い
  • ドクターの調整不良
  • インキ粘度を下げる
  • 速口溶剤の使用
  • ドクターを調整する(前項参照)
泳ぎ シャドー部に不規則な流れや、見苦しいムラが出来る
  • インキの粘度が低すぎる
  • インキの流動性不良
  • 異常に深い版を使用
  • 新肉インキを加えてインキ粘度を高くする
  • 希釈時にメジュームを使用する
  • 印刷スピードを上げる
  • 速口溶剤を使用する
  • 新肉で流動性のよいインキを使用
  • 適正な深度の版を使用
おばけ ベタ部分が滑らかに印刷されず、斑点状になったり空白部が生じたりする
  • 静電気障害
  • 散水や蒸気放出により印刷室内の湿度を高くする
  • フィルムがシリンダーから出た直後、金モールを接触させアースして除電する
  • ガイドローラーからもアースをとる
  • インキ粘度を高めにする
ひげ 画線部の周囲に糸状のはみだしを生じる
  • 静電気障害
  • (前項参照)
トラッピング不良 多色刷の場合、1色目のインキ塗膜上に2色目以降のインキがうまくのらない
  • 1色目のインキの粘度が高すぎる
  • 2色目以降のインキの乾燥が早すぎる
  • 2色目以降の印圧が強すぎる
  • 1色目のインキ粘度を下げる
  • 2色目以降のインキに遅口溶剤を使用する
  • 2色目以降のドクター位置を圧胴に近づける
  • 印刷速度を上げる
  • 2色目以降の印圧を軽くする
  • 2色目以降の版深度を深くする
ガイドローラー汚れ ガイドローラーにインキが付着し、印刷面が汚れたり、すじがつく
  • 乾燥不良
  • インキの接着不良 (耐摩性不良)
  • クーリング・ローラーの不備
  • 速口溶剤の使用
  • 乾燥機の熱量を上げる
  • ガイドローラーの回転をよくする
  • クーリング・ローラーの冷却効果をチェックする
ブロッキング 印刷したインキが重なったフィルム面にうつり、汚れる
  • 残留溶剤
  • フィルム中の可塑剤 (特に軟質塩ビの場合)
  • フィルム中の水分 (PTセロハン、NY、ビニロン)
  • ニ液反応型インキへの硬化剤の入れすぎ
  • 印刷物乾燥の残存熱
  • スリッター加工または巻き替え時の摩擦熱
  • 印刷物保管中の温度が高い
  • 巻き締めが強すぎる
  • 印刷物保管状態
  • 図柄の規則性
  • インキの接着不良
  • 両面処理フィルム
  • 印刷物を十分に乾燥させる
  • 乾燥機の熱量、風量を上げる
  • 遅口溶剤の使用を少なくする
  • 特別な処方のインキを使用する
  • 吸湿しやすいフィルムは保管に注意する
  • 硬化剤は適正比率以上添加しない
  • 乾燥温度が高い場合、冷却ロールを通し、巻取り前にフィルムを冷却する
  • 過度のテンションをかけないようにし、巻き替え後の温度が上がらないよう注意する
  • 保管は熱源付近や、直射日光をさける
  • テンションをゆるくして、固巻きにならないようにする
  • ロール状の印刷物は立てて保管する等、圧力がかからないようにする
  • 図柄が流れ方向に規則的にならないよう、ランダムに面付けをする
  • 接着不良の原因を調べる
  • 特にスピードをおとして十分に乾燥させる等、印刷時に十分注意する
(注1) ソワリング
[状態] 光沢低下、濃度低下、転移不良、版づまり
[原因] 空気中の水分がインキパン中のインキに混入し、増粘、ゲル化を起こす。特に梅雨期などの多湿時に多く、インキの乾燥が早い場合に起こりやすい
(注2) ブラッシング (白化)
[状態] 印刷面の光沢が極度に悪くなり、白けたような発色になる。接着も著しく低下する
[原因] 空気中の湿気がインキ塗膜中に混入し、インキ塗膜の性状を破壊する
obj

フレキソ印刷 (水性インキ)

表は横スクロールできます。
表は横スクロールできます。
トラブル 状態 原因 対策
色相不良 所定の色相が得られない
  • インキの粘度が低過ぎる
  • インキの分離、沈降
  • インキの絞り過ぎ
  • インキの盛り過ぎ
  • インキの転移不良
  • 原紙のインキ受理不良
  • 原液を補充する
  • 缶をよく振る
  • 絞りをゆるめる (注1)
  • 絞りをきつくする
  • ローラー、版等をチェックする
  • 原紙の交換
粘度不良 所定の粘度が得られない
  • インキの揺変性
  • 発泡
  • 溶剤分の揮発
  • 希釈剤の入りすぎ
  • インキ循環後に測定する (注2)
  • 消泡剤を加える (注3)
  • 専用の溶剤を加える
  • 原液を補充する (インキのセット時に注意)
乾燥不良 印刷物の乾燥不良
  • インキの粘度が高い
  • マージナルゾーン
  • インキの乾燥不良
  • 吸収の悪い原紙
  • インキを薄める
  • タッチを調整、版のムラ取り
  • 速乾性のインキを使用
  • 吸収の良い紙に変える
マージナルゾーン 図柄がふちどったようになる
  • 版の精度不良
  • 版とローラーの接触 (アニ圧および印圧)が強い
  • インキ粘度が高い
  • インキの絞り不良
  • 版のムラ取りを行う
  • タッチを調整する
  • 粘度を調整する
  • 絞りを調整する
版づまり 細い図柄や文字がつぶれる
  • 版の精度不良
  • 版が軟らかい
  • タッチが強い
  • インキの粘度が高い
  • インキの絞り不良
  • 版のムラ取り、高低の調整
  • 適した硬度の版に取り換える
  • タッチの調整
  • 粘度を調整する (注4)
  • 絞りを調整する
転移不良 インキが紙によく移っていかない
  • 印圧不足
  • 版の硬度不良
  • 紙の撥水度が強い
  • ゴムローラーおよびアニロックスロールの摩耗、老化
  • 印圧を加える
  • 硬度をチェックする (注5)
  • 撥水紙用インキを使用
  • ローラーをチェックする (注6)
トラッピング不良 重ね刷りがうまくできない
  • 1色目の印圧が強過ぎる
  • 1色目のインキ粘度が高い
  • 1色目のインキの乾燥が遅い
  • 2色目の印圧をより強くする (注7)
  • 1色目の粘度を、より低くする (注8)
  • 1色目のインキを絞る
泡立ち インキが泡立つ
  • インキの抑泡力不足
  • インキの循環量不足
  • 消泡剤を加える (注9)
  • 循環量を増加する
ピンホール 印刷面にピンホールを生じる
  • 消泡剤の入れ過ぎ
  • インキの薄め過ぎ
  • 低粘度インキの盛り過ぎ
  • 添加量に注意 (注9)
  • 正常なインキに取りかえる
  • 原液を補充する
  • 原液を補充して絞る
版の摩耗 版の摩耗が激しい
  • タッチが強過ぎる
  • 印圧が強過ぎる
  • 版の精度不良
  • タッチをゆるめる
  • 版圧を下げる
  • 版のムラ取りを行う
ゲル化 インキがゲル化する
  • 溶剤の使用間違い
  • 異種インキとの混合
  • 保存不適性
  • インキの経時変化によるもの
  • インキを交換する
耐性不良 印刷物の耐性が不十分である
  • 耐水不良
  • 耐光不良
  • 耐摩不良
  • 適正なインキを使用する
(注1) ゴムの老化による弾性損失、硬化など
(注2) 循環して5分程度経過した後に測定する
(注3) 添加量はインキの0.2%程度とする
(注4) できるだけ低い粘度にする
(注5) 特に、ベタ印刷には35~45°のものを使用する
(注6) 絞りローラーのゴムの老化、弾性消失、アニロックス・ローラーの目詰り、摩耗など
(注7) 1色目の印圧はできるだけ軽くすること
(注8) 粘度差を3秒以上にする
(注9) 添加量はインキの0.2%程度とする

枚葉印刷 (枚葉・オフ輪共通)

表は横スクロールできます。
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トラブル 状態 原因 対策
壺あがり インキ壺からインキが呼び出しローラーに転移しない
印刷物が段々と淡くなる
  • インキがさくく、引きが短い
  • インキの流動性不足
  • インキの稠度調整 (流れを出すようにレジンワニスを加える)
  • インキアジテーターをつけるのが望ましい
パイリング (版残り、ブラン残り) 印刷中にインキの転移が十分でなく、ローラー版、ブランケットにインキがたまる
そのために印刷面のベタの着きが均一でなくなる
網点の部分がムラになる
画線が太る
  • インキの流動性がなく、更に粘性が無い場合
  • インキが湿し水で乳化し、流動性がなくなった場合
  • インキ中に粗粒子が混入した場合 (インキの練り不足)
  • タック、粘度が高すぎて、ブラン残りが多い場合
  • インキが粘く、タック、粘度が高く紙粉が堆積する
  • スプレーパウダーの過量
  • 乾燥剤の過剰投入
  • インキの稠度を適正に調整しなおす (インキの練り直し)
  • インキがさくい場合は固めの良質のニスを練り込む
  • インキが粘い場合は助剤をよく練り込んで、インキを軟らかく調整する
  • パウダーを控え目にする
  • 版・ブランケット・ローラーを一度洗い直し、パイリングのポイントを発見し、処理する
ピッキング (紙むけ) 紙がむける
  • 紙の表面強度が弱く、コーティング不良、湿度が高い
  • インキのタックが高い (室温低い)
  • インキの機上安定性不良 (しまり)
  • 紙の交換
  • 希釈ワニス、コンパウンドを加えてインキのタックを下げる
  • 湿度と室温の再検討
チョーキング 表面が乾いているのに、印刷面を指でこすると取れる
  • 印刷後インキ中のワニスが紙に吸収されて顔料分だけ印刷面に残る
  • 紙の吸油速度が速い
  • pHが低い
  • ビヒクルと顔料とのぬれが悪い
  • インキの再調整
  • 紙の交換
  • ドライヤの量と質の選択
  • 乾燥不良、耐摩性不良とは誤解しないこと
トラッピング不良 (インキののりが悪い) 多色機ウエットプリントにおけるインキの重ね刷り不良でモットリング (表面が凹凸状態) になる
  • 多色機でのインキ稠度、濃度のバランス不良
  • 機上安定性不良が原因で紙上に転移直後のタックバランス不良
  • 乳化
  • 腰切剤、レジューサーでインキのタックを調整する
  • 後刷りインキを先刷りインキより同じか軟らかくする
  • 湿し水の供給を抑さえる
  • 図柄の少ない版から先刷りする
地汚れ 版に感じている汚れ
  • インキが脂肪性過多、ドライヤ過多
  • インキ中の硬い粗粒子による版の損傷
  • 感光膜の残渣カブリ、砂目不良
  • ガム液の塗布不良および修正後の処理不良
  • インキの組成変更版関係の再チェック
  • 水棒のセット
  • 版とローラーの当り調整
  • 胴仕立ての再検討・チェック
  • エッチ液およびガム液の腐敗
浮き汚れ インキの粒子が湿し水中に浮遊して、印刷面全面に移動して汚れる
  • インキが乳化し軟らかい
  • 高粘度ワニスを加えて硬くする
  • 湿し水の注意 (エッチ液添加量の調整)
ヒッキー 印刷部分がところどころ白点状にぬける
  • インキの乾燥した皮膜が混入して版上にでる
  • 紙の小片 (紙粉) あるいは水棒からの繊維のカスが版上にでる
  • インキの取り出し注意
  • 使用後のインキの表面に皮がはらないようにする
  • 版上の異物を取り除く
  • 水棒の手入れを十分にする
ミスチング 印刷中にインキが練りローラーの間から霧状に飛ぶ
  • インキのタックが低すぎる
  • インキが軟らかすぎる
  • ゴムローラーの破損、腐敗
  • 適当なコンパウンドを加える
  • 硬めに練り直す
  • ローラーを変える
  • 機械の点検
  • 印刷室の調湿
  • 一般に回転の速い輪転
  • 新聞印刷に起こる
  • 静電気の除去
  • ローラーの不良
  • ローラーセットの不良
ローラーストリッピング (ローラーはげ) インキングローラーがインキを受け付けなくなり、表面があらわれてくる
  • 湿し水装置からの過剰な水分がインキの表面に押し出され、ローラーに吸着し、親水性の層を形成してインキを受けつけなくなる
  • 湿し水のゴム分や酸分が強すぎる場合
  • 極端に乳化しやすいか、しにくいインキの場合
  • 湿し水の量を過大にしない
  • 金属ローラーを酸やパーミストンでこすりゴム分をとる
  • 金属ローラーの銅メッキ
  • ゴムローラーのグレージング処理
obj

枚葉印刷

表は横スクロールできます。
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トラブル 状態 原因 対策
裏うつり (ブロッキング、ステッキング) 印刷したインキがセット乾燥する段階で上紙の裏面につき、汚れる (その程度により左の名称で呼ばれる)
  • インキのセットが遅い
  • インキの盛りが多い
  • 助剤の使用不適・ドライヤの過不足
  • 紙の表面が平滑・吸油性が悪い
  • 静電気の発生
  • インキのレベリング不良
  • デリバリーの調整不良
  • スプレー性能の不完全
  • インキの選定・使用方法を正しくする
  • セットの速いインキにする
  • 濃度のあるインキに変え、盛り過ぎない
  • 風入れ、積みかえ、スノコ取りの実施
  • スプレー装置の調整
  • デリバリーの調整
  • 裏移り防止装置の設置
  • 湿し水のpHや水上げの正しい調整
乾燥不良 いつまでもインキがベタつく (アフタータック)
  • インキの乾燥性不良・インキの盛り過ぎ
  • 湿し水過多、酸度が大きい (pHが低い)
  • 紙のpHが低い
  • 印刷環境の相対湿度が高い
  • インキの変更
  • ドライヤの少量添加
  • 風入れ操作を頻繁に行う
  • 湿し水の管理を正しくする
  • ドライヤの量と質の選択
グロスゴースト 印刷物の裏面での追い刷り時に現われる光沢の差
  • 印刷インキの酸化重合過程で発生するガスの影響
  • ガスに接している部分のみインキの乾燥が促進され光沢が出るか、乾燥が遅れて光沢が出なくなる
  • 裏面印刷後1.5~2時間後に一度風入れを行う
  • 5~6時間後にもう一度風を入れる
obj

オフ輪印刷

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トラブル 状態 原因 対策
ブリスター 用紙がドライヤを通過する時に生じる火ぶくれのこと
絵柄のベタ部に発生しやすく、丸みを帯び、輪郭がはっきりしているのが特徴で、紙の両面から確認できる
  • 重い絵柄が表裏にある場合、紙面コート層がインキで覆われ、用紙水分の蒸発が妨げられる
  • 用紙含水率が高い場合、ドライヤ熱により発生した水蒸気が紙から逃げられない
  • コート層の厚い用紙の場合、用紙水分の蒸発を防げる
  • 乾燥温度を下げる (印刷速度を下げる)
  • 熱風風量を上げる
  • 高濃度インキを使用する
デラミネーション 走行中の紙が、ブランケットに取られてバタつき、見当不良・ダブリが発生する
  • 上胴と下胴の絵柄面積の差が大きく、片胴で走行方向に重い絵柄が続く場合、紙が取られ用紙がバタつく
  • テンションを上げる
  • 紙が取られる側のインキタックを下げる
  • 紙が取られる側のブランケットを紙離れの良いものにする
クーリング縦じわ 刷本に発生する縦じわで、全面に認められる
  • テンションがかけられた紙がドライヤ内で数mフリーになり、断面に波状の縦じわが生じ、そのままクーリングで急冷されるため、インキ中の樹脂分が固化して縦じわが残る
  • テンションを下げる
  • ドライヤとクーリングを適性温度に設定する
火じわ 刷本の画線部と非画線部の収縮差により縦じわが生じる
紙の表裏の収縮差により凹凸状のしわが発生する
  • インキに覆われた部分は、紙の水分の蒸発が妨げられ、収縮差が生じ、テンションによりしわが発生する
  • 片面の広い範囲がインキで覆われている場合、表裏で蒸発速度が異なるため、収縮差により変形し、凹凸状のしわが生じる
  • 乾燥温度を下げる
  • 高濃度インキを使用し、インキ皮膜厚を薄くする
  • テンションを下げる
  • クーリング縦じわとも関連が深い
乾燥不良 ガイドローラー汚れ、ターンバー汚れ、フォーマー汚れ
  • オーブンの熱風温度が低い、オーブンの風量が少ない、クーリングが不十分、インキ量、水上げ過多
  • 印刷速度を下げる
  • 熱風温度を上げる
  • インキ濃度アップ
  • 火じわ、背割れ、ブリスター等に注意が必要
ガイドローラー/ターンバー/フォーマー汚れ 印刷された走行紙が、オーブン通過後、ガイドローラー・ターンバーを通ってフォーマーで折られるが、ガイドローラーなどにインキが取られ、走行紙方向に擦れ傷が紙面に汚れとなって現われる
  • 乾燥不良
  • 印刷面とガイドローラーの摩擦力が強い
  • 上記乾燥不良と同じ対策をとる
  • インキに滑剤を入れインキ面の滑りをよくする
  • ガイドローラーなどにテフロンテープなどを巻き、摩擦を軽減する
  • テンションを下げ、接触圧を軽減する

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