紙パッケージに求められる「耐油性」とPFASフリー
例えば、ハンバーガーやフライドポテトなどの食品には油分が含まれています。油が紙に染み込んでしまうと、包装材としての機能だけでなく、見た目にも影響します。
そのため、食品用の紙パッケージには、油の浸透を抑える「耐油性」が重要な機能の一つとして求められます。
これまで、こうした耐油性を付与するためにフッ素系の耐油剤が活用されてきました。フッ素系耐油剤は、耐油性を持たせながら通気性を確保できるという特長があります。
一方で近年、PFAS(有機フッ素化合物)の環境残留性などが課題として指摘され、PFOAやPFOSといった個別の物質だけでなく、PFASを物質群として捉えた規制の検討も進められています。食品包装の分野でも、こうした変化を背景に、PFASを使用しない「PFASフリー」への関心が高まっています。
機能性紙パッケージ用耐屈曲剤「DHX2-4006/DHX2-4007」
サカタインクスでは、この折り曲げによる性能低下に着目し、機能性紙パッケージ用耐屈曲剤「DHX2-4006/DHX2-4007」を開発しました。
機能性コーティング剤の下に耐屈曲剤を塗工することで、紙を折り曲げた際に生じる機能層のひび割れを低減し、紙パッケージが持つ機能を維持しやすくします。
実際の評価では、平らな状態では耐屈曲剤の有無による大きな差が見られない一方、紙を折り曲げた状態では、耐屈曲剤を使用していない場合に油の染み込みが顕著になることが確認されています。
また、DHX2-4007は改正食品衛生法のポジティブリストに収載された物質、DHX2-4006は米国FDA 176.170に収載された物質で構成するなど、食品包装用途を想定した製品設計を行っています。
食品包装の「安全・安心」を、材料から製造プロセスへ
食品包装を取り巻く環境は大きく変化しています。PFASを使用しない材料への切り替え、食品接触を考慮した原材料の選択、そして折り曲げや加工を行った後にも必要な機能を維持すること。
サカタインクスでは、食品包装の「安全・安心」を、一つの材料や機能だけで考えるのではなく、より広い視点で捉えることが重要だと考えています。

「どのような材料を使うか」から、「実際に使用するときにも必要な機能が保たれるか」、さらに「どのような環境・品質管理のもとでつくられているか」へ。
食品包装に求められる「安全・安心」の視点は、材料から機能、そして製造プロセスへと広がっています。
サカタインクスでは、水性紙用耐油剤「ブライトーン FC-6331/FC-6332」や機能性紙パッケージ用耐屈曲剤など、食品包装に求められるさまざまな機能への対応を進めています。
そして、その考え方をさらに一歩進め、「何をつくるか」だけでなく、「どのような環境でつくるか」にも目を向けています。
その取り組みの一つが、東京工場に導入したDFC(Direct Food Contact:食品直接接触)対応設備です。
なぜサカタインクスは、規制を待つのではなく、将来を見据えてDFC対応設備の導入に踏み切ったのか。次回は、その背景とサカタインクスが目指す食品包装の「安全・安心」についてご紹介します。
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