事業活動における環境負荷の低減

Reducing the environmental impact of business activities

事業活動における環境負荷の低減

新聞、チラシ、カレンダー、雑誌、段ボール、紙袋、食品包装などの印刷物は、私たちの日常生活に欠かせないものであり、重要な情報伝達手段の一つです。
印刷物をつくるには、紙・フィルムなどの基材(被印刷物)、版(印刷の元となる版)、印刷機械、そして印刷インキなどが必要です。それぞれが各々の性能を発揮することで、より高品質な印刷物ができ、効果的な情報伝達が可能になります。
顔料、樹脂、溶剤、添加剤などを原材料とする印刷インキは、製造過程でエネルギー、水、化学物質を使用するとともに、外部へはCO2、廃棄物、水、化学物質を排出します。従って、当社の重要な課題は、印刷物を通じた情報伝達の一役を担うとともに、メーカーとして環境への影響を可能な限り削減することです。
そのため、製造過程での省エネルギーや廃棄物削減などに取り組んでいます。また、インキに使用する有機溶剤の変更や、VOC(揮発性有機化合物)を低減したインキの開発に努めるとともに、印刷過程で揮発する有機溶剤ガスの処理装置をお客さまに提案するなど、市場ニーズを常に探りながら環境負荷低減に取り組んでいます。
加えて、健康や環境に悪影響を及ぼす懸念化学物質の使用を見直すなど、法令・規制を遵守したうえで、将来的な規制強化や顧客ニーズを踏まえて、段階的な削減・代替に向けた対応を継続的に進めています。
また、化学物質管理においては、法令で定められた基準に加えて、印刷インキ工業会が制定する「印刷インキに関する自主規制(NL規制)」など、法令を上回る管理基準の遵守にも取り組んでいます。

懸念物質への対応事例

  • 植物由来成分を使用したグラビア・フレキソインキの開発
  • 有機溶剤を使用しない水性グラビア・フレキソインキの開発
  • 光重合開始剤を使用しないパッケージ用EB(Electron Beam)オフセットインキの開発
  • 改正食品衛生法ポジティブリスト(PL)などの食品接触に対応している原材料を使用した、PFASフリー耐油剤と紙用耐屈曲剤の開発
  • カシューナッツの殻から取れるカシューナッツ殻液を原料とするエポキシ樹脂等の開発

化学物質管理

当社グループは、当該国の法規制や業界規制などに準拠した原材料を使用し、製品やサービスの開発、製造、販売などを行うにあたり、関係法令などの確認を行い、安全性の確保に取り組んでいます。安全性に疑念が生じた場合はただちに事実関係を確認し、適切な対応を行います。また、当社はSDSシステムを導入し、全製品について、GHS*1(世界調和システム)に基づいて危険有害性を分類し、SDS(安全データシート)*2およびラベルによってお客様に必要な情報を提供し、取り扱い時や輸送時の安全確保、適切な廃棄による環境保護などに努めています。本システムは当社グループ企業にも導入を検討中です。 さらに、当社は2026年3月下旬よりSDSおよび製品安全証明書をオンラインで取得できる「SDS・製品安全証明書取得サイト」の運用を開始しました。本サイトの開設により、当社のお客様が必要書類の取得・依頼をウェブ上で行うことが可能となり、書類入手に要する時間の短縮と、利便性向上を実現します。

*1  GHS(The Globally Harmonized System of Classification and Labeling of Chemicals):化学品の危険有害性を国際的に統一した基準で分類・表示する制度。
*SDS(Safety Data Sheet):化学品の危険有害性、取扱方法、緊急時対応等を記載した文書。

化学物質管理基準

当社グループの事業活動全般における、化学物質の危険有害性に起因する人・環境への負荷を低減し、社会の持続可能な発展に貢献する高品質かつ安全と環境に配慮した製品を提供するため、当社グループにおける全ての製品・委託製造品に使用される全ての材料、および当社顧客において使用される全ての資材(副資材、梱包材等も含む)を対象とした「サカタインクスグループ環境化学物質管理基準」を定めています。本基準では、以下の禁止物質、規制物質、自主管理物質を定め、管理を徹底しています。

第1基準:禁止物質
当社グループは以下の意図的使用を禁止する。
 ・ 残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約 付属書 A,B.C の記載物質
 ・  国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同意の手続に関するロッテルダム条約 附属書Ⅲの記載物質

第2基準:規制物質
当社グループ各社は、使用する材料に関わる自国の化学物質・環境法規制を遵守する。
(例)サカタインクス株式会社
当社は、以下に記載の物質を禁止物質とする。
 (1) 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)の第一種特定化学物質
  ただし、2018年 3月 16日付「副生第一種特定化学物質を含有する化学物質の取り扱いについて(お知らせ)」
  に基づき、三省に第一種特定化学物質として取り扱わないとして了承されたものは除く。その場合でも、含有が
  確認されている時は含有量を報告して下さい。
 (2) 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)の第二種特定化学物質
  ただし、2018 年 2 月付「第二種特定化学物質及び第二種特定化学物質使用製品の実績・予定数量等に係る届出
  要領」に基づき、届出が不要な場合に該当する、“不純物である第二種特定化学物質の含有割合が 1 重量%未満
  の場合”は禁止として取り扱わない。その場合でも、含有が確認されている時は含有量を報告して下さい。
 (3) 労働安全衛生法 第 55 条(製造等の禁止)、労働安全衛生法施行令 第 16 条
 (4) 労働安全衛生法 第 56 条(製造の許可)、労働安全衛生法施行令 第 17 条 別表第三 特定化学物質 第一類物質
 (5) 毒物及び劇物取締法 特定毒物 別表第三
 (6) RoHS210 物質(Commission Delegated Directive (EU) 2015/863)
 (7) 当社指定物質

第3基準:自主管理物質
当社グループ各社は、製品用途に応じて業界自主規制、顧客ガイドライン等の対象化学物質を管理する。

化学物質管理に関する社内教育の実施

当社では、国内外の環境・化学物質規制に関する最新情報を社内で共有するとともに、製造・研究・技術などの取扱い部門等を対象に、定期的に化学物質管理セミナーを実施しています。法規制動向や対応の考え方を周知し、適切な化学物質管理の浸透を図っています。

グリーン調達

当社グループは、製品原材料の調達に際しては、各仕入先企業に「原材料化学物質管理シート」を提出していただき、原材料の構成成分ごとに、以下の項目を確認し、管理しています。 また、当社はCMPコンソーシアムに参画し、chemSHERPA*を活用して製品含有化学物質に関する情報の収集および顧客への情報提供を行うことで、サプライチェーンにおける適切な化学物質管理と情報伝達に取り組んでいます。
*chemSHERPA:製品に含有される化学物質に関する情報を、サプライチェーン全体で共有・伝達するための標準的な情報伝達スキーム。

 ▮ 主な確認項目

  • 労働安全衛生法の表示物質、通知対象物質の含有状況
  • PRTR法の指定化学物質の含有状況
  • NL規制物質の不使用
  • 各国化学物質登録状況
  • 化学物質審査規制法への登録有無
  • TSCA(アメリカ、有害物質規制法)などへの登録有無
  • EU化学物質規制対象物質の含有状況(REACH,SVHCなど)

製品設計・研究開発における配慮

当社は、地球環境への配慮を重要な経営課題の一つと位置づけ、品質・機能と環境配慮を両立させた製品設計を基本方針として、研究開発に取り組んでいます。
石油化学材料の使用削減をはじめ、水性化やバイオマス材料の活用など、環境負荷の低減に貢献する環境配慮型製品の開発を積極的に推進しています。
研究開発にあたっては、環境配慮設計評価基準を定め、原材料の選定から製品の使用・廃棄・リサイクルに至るまで、製品ライフサイクル全体を通じて環境および健康への影響を総合的に評価しています。